https://geohot.github.io/blog/jekyll/update/2025/12/29/five-years-of-tinygrad.html
geohot氏のブログからの引用です。
なぜ、tinygradがおもちゃにならなかったか、の因果を述べております。
要点としては、ゴールを重要視しているElon Musk流の開発プロセスを用いていることにあるとのこと。
ここで、Elon Musk氏の思想をまとめる。
イーロン・マスクの開発プロセス(5ステップ・フレームワーク)
イーロン・マスクの開発プロセスは、効率を抜本的に改善するための5つのステップを中心に構成されている。
この手法の核心は、複雑さを徹底的に排除し、コアとなるニーズに集中し、時期尚早な自動化を避けることにある。
マスクは、TeslaやSpaceXでの経験から、早すぎる自動化はむしろ生産を遅らせることを学んだ。
Muskの5ステップ開発プロセス
1. 要件を疑え(Make Requirements Less Dumb)
- すべての要件を、誰が決めたかに関係なく疑え
- 各要件について、責任者の名前を必ず明確にする
- 部署には責任を取らせられないが、人には取らせられる
- 特に注意すべきなのは、「賢い人」が作ったルール
- それらは往々にして最も危険で、最も疑われにくい
2. 部品・プロセスを削除せよ
(Delete Any Part or Process You Can)
- 価値を生まない部品や工程は削除する
- マスクは次のように言う:
「削除したものの少なくとも10%は後で戻すことになるくらいでちょうどいい」
- 人間のバイアスは常に、
「念のため追加する」方向に働くためだ
3. 単純化・最適化せよ
(Simplify and Optimize)
- 削除した後に、残ったものを単純化・最適化する
- 最もありがちな失敗は、
- 本来削除すべきプロセスを、一生懸命最適化してしまうこと
4. サイクルタイムを短縮せよ
(Accelerate Cycle Time)
- イテレーションとテストの速度を上げる
- ただし、これは
- 最初の3ステップによって
**「正しく、無駄のないプロセス」**が確立されて
初めて効果を発揮する
- 最初の3ステップによって
5. 自動化せよ(Automate)
- 自動化は最後に行う
- プロセスが
- 明確で
- 単純で
- 効率的 になってから、初めて自動化する
- マスク自身、
- 不要で複雑な工程を
早期に自動化しようとして失敗した経験から
この原則にたどり着いた
- 不要で複雑な工程を
中核となる原則(Core Principles)
すべてを疑え
- 前提、慣習、既存ルールを無条件に受け入れない
シンプルさ
- 「最高の部品は、部品が存在しないこと」
- 複雑さは、しばしば非効率を隠す
反復的フィードバック
- 最小限の実用的プロダクト(MVP)を出す
- 実世界のデータを基に、継続的に改善する
フラットな階層構造
- 管理レイヤーを減らす
- 意思決定とフィードバックを高速化する
要約
このプロセスの本質は、
削る → 単純にする → 速く回す → 最後に自動化する
という順序を絶対に間違えないことにある。
イーロン流は、
- 「足すことで賢く見せる」のではなく
- 削ることで本質に近づく
開発思想だと言える。